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  | 来客のニーズを知る 2001年11月15日 | 
 
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  | 《顧客を理解できない受付》
 あるスクールに興味をもった顧客が現地の見学に訪れたとしましょう。
 基本的にはどのスクールにも顧客対応の手順がありますすが、このレベルの差が実に大きい。
 
 まずは、受付のスタッフが立ち上がり、笑顔であいさつ。優秀なスタッフなら、お客様の様子やスケジュールなどから見学希望者だ、と早い察しがつくでしょう。
 優秀でないスタッフなら「予約も入れずに突然来るなんて」と思うでしょう。
 そして「見学希望の方ですね。それではこちらへどうぞ」とテーブルに案内します。
 ここまではOK。いい対応です。問題はその後。
 そのスタッフはおもむろにパンフレットや説明資料をテーブルに並べる。
 そしてこう考えます。「ウチのスクールの良い部分を残らず理解させよう」。
 学校のポリシー、講師の優秀さ、スタッフの家族的な対応、生徒のニーズにあった教育…。
 こんな大きな勘違いをしているスクールがなんと多いことか。
 
 
 《顧客は自分の問題を解決するためにココに来た》
 
 英会話を習おうと考える人は、何かしらの問題を解決するために、お金を払って、時間を割いてスクールに入るはず。ですから顧客のニーズとは「自分が抱えている英語に関連する問題を解決する」ということです。
 そして、スクールの顧客対応レベルもここで大きく分かれます。
 
 まずは、顧客のニーズを聞きだすための方法論をもっていないスクール。このタイプのスクールの対応は常に一方的で顧客ニーズの聞き取りよりもスクール・ポリシーの説明の方が100倍くらい大事だと考えています。信頼関係の構築などはるか上空にかすんで見え、顧客は次に見学に行くスクールを考え始めます。
 
 つぎに、顧客のニーズが大事なのはわかっているが、それを何に活かすのかまで至っていないスクール。
 このタイプは、いろいろ聞いてコミュニケーションをとった後、「さて、それでは...」などといいつつ顧客ニーズは横に置いて何事も無かったかのようにパンフレットの説明に移り、今まで200人の顧客にしたのと同じプレゼンテーションを始めます。顧客は「おいおい、ちょっとまてよ」と心の中でつぶやきます。
 
 そして最後は、顧客のニーズをうまく聞き出し、スクールの特徴をこれにあてはめ、顧客の問題を解決する答えを用意できるスクール。このタイプのスクールでは顧客は次のように感じます。「私に必要なのはこのスクールのシステムだ」
 
 
 《聞き出したニーズを活かす》
 
 具体的に「顧客のニーズを聞き出し、その答えを顧客の問題解決に活かす」とはどういうことでしょうか。
 例えば「このお客様はなぜこの立地を選んだのだろうか?」と考えてみます。
 この答えに含まれる顧客の問題とは何でしょうか。考えてみてください。
 家や勤務先から近くないとモチベーションがつづかない、という理由が出てくるかもしれません。ですからこの場合の問題解決法は、「自宅が近い生徒さんは、通える回数も多くて、上達も早いですよ」というデータの参照だったり、「ウチのスクールでは生徒さんのモチベーションを高めるためにレッスン前日に先生からメールをお届けします」といった特徴の説明だったりするはずです。
 
 顧客に聞くべき内容と自社の強みをもう一度整理して、顧客対応のマニュアルを作ってみてはいかがでしょうか。上の例のような受け答えが5つできれば、クロージングの精度は格段に上がります。
 
 世の中にはこの対応が完璧にできるスクールがあります。
 
 さて、あなたのスクールは、どのレベルにあるでしょうか。
 
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