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業界を斬る!コラム(7)
出席率を甘く見るスクール 2001年12月15日
 
 ≪大手の傾向≫

 大手英会話スクールでは、特に顕著に出席の悪さが目立つ。英会話スクールをサポートする立場でこんなことを言うのもなんだが、出席がひとつの基準である給付金制度を、ほとんどの大手英会話スクールが採用しているということ自体が矛盾している。
 現在では解約金の返還がスクール側にも義務付けられているから、何年か前のようには解約時のトラブルは減っていると考えられるが、出席率そのものは変化がない。
 なぜだろうか?


 解約は一見して生徒にやさしい法制度だ。しかし、実際に解約をするとなるとひと悶着なしにはすまないし、解約を申し出たときに更新をしつこく勧められたり、たらいまわしにされてなあなあになるケースが多い。
 なぜ止めるのかの理由を突っ込まれるのも気持ちがいいものではないし、なるべくトラブりたくないのが日本人の悲しい性だ。
 しかし、こういったネガティブな傾向だけで出席率が維持され、解約が行われないわけではない。実際には生徒が「せっかく英会話をはじめたのだから、今は行っていないけどまたいつかきっと行くだろうから」と考えて保留にすることが多い。そして、いざ久しぶりにスクールに行ってみると自分の英語が全く通用しないことに嫌でも気づかされる。
 これでますます行く気は失せるが、それでもまだかたくなに、いつかきっとやるさ、と信じてしまう。


 特に大手英会話スクールの出席率の低さはこのような理由から成り立っていることが多い。そして、これはスクールにとっては、非常に便利なマネージメントで、サービスを受けないのに、収益は上がっていることになる。
 出席しない生徒でスクールが支えられていると言われているのは実は正しいのだ。


≪中小規模のスクール≫

 まず、出席率の低下がそのまま経営状況の悪化に結びつくケースがある。月謝制を採用しているスクールでは、その月の収入源が断たれ、しかも回復の見込みがない場合には将来に渡って不安定な状態が続く。
 解約の手間はかからないものの、少人数制をとっていると、その生徒の復帰具合が微妙な場合は、新規の生徒の獲得ペースも困難になる。レッスンの人数がオーバーするような可能性の高い場合は新規の生徒を獲得して、旧来の生徒が予約を取ることができないような状態に陥るとクレームにつながるし、かといって収益の問題は笑って済ませることができない。

 月謝制でない場合でも、出席率が低下して生徒が来なくなると社員のモチベーションも低下する。講師も同様だ。中小規模でシステムや制度ではなく、団結によってスクールが運営されていると、やる気の低下は致命的になる。
「どうせこのスクールでやってても生徒来ないし」
「それなら何とか楽した方がいい」
などと考え始める土台となる。
 いくら教育や、理念の伝達に力を入れても根本的に出席率が低下するとスクール内環境まで悪化する。

 中小のスクールにとって出席率の低下は破滅への序曲となり得る。


≪出席率の上昇がスクールに何をもたらすのか≫

 スクール経営を主眼にすると、それは会社経営でもあるので、いかに売上と利益を確保するかが重要な要素となる。これには大手や中小の間に差はない。
 であれば、単刀直入に「出席率の上昇は売上アップにつながるか?」という質問が出ていいはずだ。
 答えはYesである。

 そうは言っても「出席しない生徒の支払った金によってスクールは運営されている」というのは一理あると言ったじゃないか、というお考えもあるだろう。確かにそれも重要な視点だ。
 しかし、これは言い換えることができて、「出席してくれる、英会話を伸ばしたいと考えているお客さんは、既に潜在的な二次顧客になる可能性が高い」と説明することができる。
 英会話主体で、生徒中心で考えたとき、出席は欠かすことのできない必需条件であり、スクール中心で見たときにはサービス提供の義務である。しかし、経営主体(マーケティング主体)で見たときに中心に来るのは、売上に直結する可能性が高い顧客が目の前にいるということができる。

 ではなぜ、大手をはじめとする英会話スクール、英会話スクール業界全体は新規顧客の獲得に血眼になって励んでいるのかといえば、新規顧客獲得がもっとも楽で、もっとも確実で、もっとも効率のいい売上方法であるからに他ならない。
 もっとも楽な方法に頼り切ってしまうということは、営業努力、サービス向上を怠ると言え、商品の画一化が起こり、他スクールとの差が明確でなくなる。
「少人数制」
「給付金制度」
「オリジナルカリキュラム」
などとしか謳えないスクールが多いのは、この傾向の現れだ。

 出席率の上昇は、新しいサービスや他社との違いを売る、ということにつながる。
 ただし生徒もバカではない。小手先の商品やサービスを、通常のレッスンさえ満足に受けることができないスクールから買おうはずもない。
 普段からの企業努力が問われる瞬間である。


≪出席率向上のためにスクールができると≫

 まずは前述のとおり、スクールとして新しい企画、生徒の目指すものに合致した企画をどのようにして設けることができるかだ。そしてその姿勢を積極的に生徒にアウトプットしなくてはならない。有料であるか、無料であるかはこの際重要ではなく、彼らにどう受け取ってもらえるかに注目すべきだろう。

 この姿勢は、外部に対しても出さなくてはならない。
 自分のスクールの方法を公表すると真似をされてしまう、負けてしまうと考えているうちは、結局体質に違いなど出ない。新規に頼っていた頃とメンタリティーは同じだ。
 外部に公表することによって、真似をするスクールより多くの潜在的な顧客にスクールの姿勢を見せ、それによってさらに既存の生徒の信用と信頼を勝ち取ることが、あたりまえのことなのだが収益増加につながる魅力ある経営を行っていくことにつながる。