≪都のアンケート調査≫
消費者の苦情が多い、とされている外国語教室。東京都で活動している外国語教室(英会話スクール)にアンケート用紙が昨年12月に配布された。配布先スクールは約120校。
全てのスクールが解答したのかどうか、何かの事情があったのか、結局は88校のスクールが解答を返送したらしい。
このことは英会話ニュースでも記事にしたので、詳しくは
こちらを読んでみてほしい。
そのスクールの契約書面を
特定商取引法に基いて確認したところ、何と98%ものスクールが法を遵守していない、つまり契約書に不備があったという結果が出た。今回はこの結果を検証してみたい。
≪一体スクールはどうなるの?≫ そもそも書類に不備があることによって損をするのは一体誰なのか。法的に見ればこれはスクールであるといえる。なぜなら不備のある書面を発行したということは、8日間のクーリングオフ期間など認められず、無条件に(レッスンを受けていたとしても)将来に渡って永遠にクーリングオフ期間が存在するということになる。
つまり、中途解約もその書類の不備のために当てはまらず、顧客に対して消化したレッスンの料金まで全額返還することを条件とされる。
ただし、あくまで法を額面どおりに受け止めた見方なので、実際にはこのとおりに進むことはまずないだろうが、それにしてもスクールのリスクはとても大きい。
万が一にも訴訟になって敗訴し、訴状どおりに金銭を返還しなくては営業停止に追い込まれる危険性も実際にある。営業停止処分を無視した場合は最高3億円の罰金が待っている。
今回の東京都の調査結果がいかにスクールにとって深刻で、これまで目をつぶってきたかの結果であるといえるだろう。
東京都では既に合同説明会を開き、また各スクールの責任者に対して的確な指導を推進中であるらしい。元々、苦情が多くて特別に法律ができたような世界であるから、このような姿勢は好ましいといえるかもしれない。
これを機会にどのスクールも書類不備を正し、健全な営業活動をしてほしいと思う。
≪それで、消費者は?≫
結論から言うと、今回東京都の指導があったぐらいではスクール側が180度方向転換するということはないだろう。98%ものスクールが満足に書類を作れない業界だから、今日明日変わるというわけには行くまい。
むしろ、行政がちゃんと指導してくれる東京都でスクールに通っている人はまだ安心ができる。曲がりなりにも苦情を言う先がはっきりしているし、少しはお役人の意識も高いかもしれない。
消費者にとってはしばらく困難な道が続くと思われるが、一般に言われている消費者保護センターなどに相談したところで、実質的な解決には至らないと考えた方がいい。
先方は1日に何件もの苦情を受けており、役所の人間の性として、最低限自分の知っている知識と既に決まっているルールで何とか解決しようとする。そして、なんともならないとなったときには(実際どうにもならないことが多い)、消費者が逆に発言指摘をされたり、掛け合ってみますので数日お待ちください、といってそのままになるケースが多い。
唯一、ある特定の法人(スクール)に対しての苦情が重なったときに重い腰を上げる。それまでは何もしてくれれはしない。
結局のところ、消費社会の中では「自分の身は自分で守る」というところを基本としなくてはならない。そういう意識なく言われたままにハンコを押してしまう消費者があまりにも多い。かわいそうだが自業自得だろう。
それでも、意識が高くても不当な苦痛を得ている場合は、専門家に頼ることをオススメする。間違っても消費者センターで何とかしてもらおう、と考えてはいけない。その考えのウラには「自分は何にも悪いことをしていないのだから法律どおり返してよ。法律さん何とかしてください」という悲痛な叫びがあるのだが、叫んだからといってどうになるわけでもない。
少々金銭負担があったとしてもその道に強い弁護士や行政書士など、専門家に依頼することをオススメする。お金は支払わなくてはならないが、少なくとも精神的な苦痛を代行してくれ、法に沿って物事が動くのだから確実な方法だといえる。
けれども今まで縁もゆかりもなかった士業の人を、そもそもどう探せばいいのか、コストはどのくらいかかるのかなどの知識がない。戸惑うことも多いと思う。
≪両者にファーストフローができること≫ ファーストフローは英会話スクール業界の健全化を目指して事業活動を行っている。今回の東京都の調査結果を受けて、私達のコンサルティングファームで専門家と契約をし、スクールの経営者の方には適切で間違いのない書面作りのお手伝いを、消費者の皆様にはクーリングオフや中途解約のお手伝いを行います。
現在準備段階中なので、システムが整備され次第発表していきます。スクール側も消費者側も楽しみに(少し不謹慎ですが)待っていてください。